【失敗しない】13のリフォームの打ち合わせで決めること

失敗しない為の打ち合わせで決めること大全

前回、【内装フルリフォームの工程を徹底解説】という記事を挙げさせて頂きました。

今回はその続編として、打ち合わせで決めること大全として、リフォームで打ち合わせをしていく中で決めていかなければならないことを網羅させて頂きました。

リフォームや注文住宅を行ったことがある方なら分かるかと思いますが、「決めることが多すぎて本当に大変だった」という声をよく頂きます。

決めても決めも、次々と仕様を選んで行かなくてはなりません。

大変ですが、自分好みにカスタマイズしていけるという点は、メリットであり楽しみな部分もあるかと思います。

ここでは、リフォームで決めること大全と称して、打ち合わせの際に選んでいくことを細かく説明させて頂きます。

もちろん、ここで記載した項目を全て自分たちで決めなければならないということではありません。

「この辺はこだわりをもって作り込んでいきたい」

「ここはそこまで気にしないから、おまかせで」

「何か良いプラン無いですか?」

「この写真みたいにしたいんだけど」

などなど、担当の工務店にどんどん頼っていきましょう。

色々な工事を経験している我々だからこそ、お客様が思っていることと別の視点からご提案させて頂くというのも、工務店の仕事の一つです。

お打ち合わせも基本は業者がリードしてくれるでしょう。

とはいっても、工務店によっては「これが標準仕様なので」と打ち合わせに上がらなかったりする場合もあります。

それもある意味仕方ない部分もあるのかもしれませんが、1から100まで全てを選んでいてはどれだけ時間があっても足りません。
本記事で解説させて頂くように、決める箇所は大量にあり、また巾木ひとつとっても数百種類はあるでしょう。

そこで、「ここはしっかりと打ち合わせしておきたいな」という部分をあらかじめ確認しておくことで、あとから「ここは失敗だったな」という後悔が少しでもなくれば良いと思い、本記事を作成させて頂きます。

また、お打合せの前日等にでも見返していただけると、打ち合わせ漏れが少なくなりますので、是非備忘録としてご活用下さい。

おおまかな打ち合わせの流れ

おおまかな打ち合わせの流れ

詳細に入る前に、おおまかにお打合せの流れを説明します。

リフォームにおいて、工事金額は大きな判断材料ですので、まずは大きく金額が変わる部分から概算で決めていき、プランが固まったら個別の商材を選んでいき、金額を確定させていくという流れになります。

①構造部分等の打ち合わせ

②間取りの打ち合わせ

③サッシの打ち合わせ

④電気位置の打ち合わせ

⑤住宅設備の打ち合わせ

⑥建材類の打ち合わせ

⑦塗装の打ち合わせ

⑧タイルの打ち合わせ

⑨その他小物の打ち合わせ

⑩電材の打ち合わせ

⑪クロス類の打ち合わせ

上記のように決めていきます。

上記を都度区切って打ち合わせを行うということではありません。
「次回はここからここまでを決めていきましょう」という様に勧めていきます。

また、必ずしも順番にというわけではなく、範囲や間取りなどは前後しながら決めていくことも多いですし、業者によっても多少異なると思いますので、備忘録的に使って頂けると幸いです。

また、工程の進み具合にもよりますが、着工後の変更も可能です。

現場を見ながら「やっぱり違う感じにしたいな」ということがあったら、すぐに業者さんに相談しましょう。

どの工程まで進んでしまうと、後戻りできないかなどは、リフォーム工程の解説記事で説明させて頂いておりますので、こちらでご確認下さい。

【内装フルリフォームの工程を徹底解説】

それでは、解説に移らせて頂きます。

①構造部分の打ち合わせ

フルリフォームでは、天井・床・壁まで解体することが多いですので、以下の内容を決めていきます。

この後解説する間取りとも関わる部分もありますので、間取りと合わせて進めていきましょう。

初期プランでは、ご要望をお伺いして、設備や建材などは概算で見積もりを作成していきます。

まずは金額感を確認しながら、リフォームの間取りプランを固めて、そこから細かい金額を詰めていきましょう。

・布基礎の場合、防湿コンクリートをどうするか

・束・土台・大引きの交換

・梁の補強

・断熱材

・EXオール電化にするか否か

上記の内容を打ち合わせていきます。

防湿コンクリートについて

リフォームを行う住宅においては、ある程度築年数が経過している住宅が多いですが、昔は現在のようなベタ基礎ではなく、布基礎(ぬのぎそ)という方法を採用していることがほとんどでした。

布基礎だと何が問題になるのかということですが、湿気対策がされていないということです。

布基礎の場合、床下が砂利や土の場合があり、その場合土中の水分が蒸発し、床下にこもってしまいます。

昔の日本の住宅は、高気密ではありませんでしたが、リフォームを行い、気密性が向上することにより、結露等で床下の木部にダメージを与えてしまうことがありますので、防湿コンクリートを打つことがあります。

束・土台・大引の交換

床の構造として、基礎コンクリートの上に土台という太い角材が乗っており、それと同じ高さで、床を支えるための大引きとい太い角材があり、その大引きを束(ツカ)で支えています。

この大引きという部分が、長い年月を経て傷んでしまっていることがあります。

大引き交換の場合は、束も新しく交換する場合がほとんどです。

また、土台に関しては、特に水回り等が漏水で腐食やシロアリ被害を受けている場合があります。

とは言うものの、そんなことを言われて「判断して下さい」と言われても判断できないですよね。

その為、パーソナルホームズでは予めお見積りに入れさせて頂いております。

事前に予算を組んでおくことで、解体してもし大丈夫だったらそのまま使うことで減額していきます。

他社工務店様でのお見積りの際も、「もしだめだったら?もし大丈夫だったら?」と忘れずに確認しておきましょう。

梁の補強

間取り変更によって、柱をずらす必要がある場合には、梁の補強を行っていきます。

基本的には今までよりも長いスパンを梁で支えることになりますので、梁の入れ替えや補強などを打ち合わせます。

中には背負っている重量の問題で、抜けない柱というのも存在しますので、よく打ち合わせしておきましょう。

断熱材

天井・壁・床の解体を行いますので、断熱材についてお打合せしていきます。

比較的新しい住宅で、壁の断熱材が入っている場合など、部分的に壁を再利用していくことも可能ですので、現状の断熱材がどうなっているのかを踏まえて、断熱材を打ち合わせましょう。

オール電化にするか否か

最近はオール電化の住宅もかなり増えてきています。

これによって給湯器をガスにするか電気にするかも変わってきますし、調理器具もIHにするかガスにするかが決まります。

②間取りの打ち合わせ

続いて間取りを決めていきます。

フルリフォームといっても、「1Fだけ」「一部の和室は手を付けない」「ユニットバスは変えたばかりなのでそのままで」など部分的に残すこともあります。

後からでも変更可能ですが、大きく見積金額が変わってくるところですので、よく検討しておきましょう。

この間取りを決めることで、建具などの建材類の使用量が変わるのはもちろんですが、以下の内容が変わってきます。

・柱を抜いたり梁の補強を入れる必要がある

・部屋の位置が変わり、サッシの位置変更がある

・サッシの変更に伴い、外壁の補修が発生する

①の構造的な部分とあわせて、工事金額が大きく左右されるところですので、設備や建材類は概算で、まずは金額の大きな箇所の方針を固めていきます。

部屋割り

まずは部屋割を決めていきましょう。

これから暮らしていく長い期間に、家族構成も変わっていきますので、将来のことも考えてプランしていきたいところですね。

リビングはどれぐらいの広さを確保したいのか?

個人の部屋の数は?

洗面台やトイレは1つずつで足りるか?

客間として1室確保しておくべきか?

などなど、色んな事例を見ながら参考にしていきましょう。

柱による制約も出てきますので、ご自身にとっての最適解を工務店と一緒に模索していきましょう。

「これだ!」と思って間取りを決めても、打ち合わせを詰めていく段階で、「やっぱり別の間取りにしたほうが良いのでは?」と思うこともあるかと思います。

その際はそのまま工務店に相談しましょう。

打ち合わせの段階であれば、変更は可能です。

ただし、再見積もりによって打ち合わせ期間が伸びていきますので、リフォームの完成までも時間が掛かってしまいます。現在の家賃や、ローンの支払発生日等の都合がある方は、できる限りスムーズに打ち合わせを進められると良いですね。

③サッシの打ち合わせ

間取りを決めていく中で、サッシをどうするかを打ち合わせていきます。

外壁が絡んでしまいますが、サッシの位置変更をすることで、間取りの自由度が上がったりします。

部屋を仕切りたいところに丁度サッシがあり、うまく間仕切りできないということはよくあります。

また、間取りに関して以外でも、住宅の基本性能を大きく左右するところでもあります。

様々なサイトで解説されていますが、室外の熱気や冷気の7割はサッシから入るor出ていくとされています。

昔はアルミサッシが普通でしたが、今では樹脂サッシが多く採用されています。

樹脂サッシに交換することによって、断熱性能が大幅に上昇します。

ベストはサッシの交換ですが、それだと外壁も絡んできてしまうため、インナーサッシやカバー工法といった方法も可能です。

仕様はあとからでも大丈夫ですが、数が数だけに、金額にも大きく影響しますので、どれぐらいのグレードのものにするかは打ち合わせておいたほうが良いかもしれません。

サッシ交換

仕上がりは一番キレイで、最新の製品に交換することができます。後述のインナーサッシとの違いとしては、外から見てもサッシが新しいという点もあります。

インナーサッシ

既存のサッシの内側にもう一枚サッシを入れてしまう方法で、要は二重窓になるということです。

工事内容、金額ともにお手軽で、窓枠にはめるだけで施工できます。

デメリットとしては、二重窓になるので、窓を二回開けないといけない、外側のサッシは古いままなので、外からの見た目が古いままで、立て付けも改善しないということが挙げられます。

カバー工法

既存のサッシを、ガラス戸のみ外して、既存のサッシの上に新しいサッシを被せる=カバーしてしまうという工法です。

こちらも外壁工事やクロス工事の必要がなく、工事も1日で完了してしまいます。

また、インナーサッシとは違い、2重窓にはならないので、開け締めの頻度の高い部分や勝手口への施工に適しています。

デメリットとしては、他の工法と比べると、費用が割高であるということが挙げられます。

上記のような3つの方法が主なサッシ工事の方法です。

サッシは数が多く、内容によって金額も大きく変わってきますので、早いうちに検討しておきましょう。

シャッター

サッシに関わる部分ですが、シャッターや網戸をどうするか?という点も忘れないでおきましょう。

網戸については、サッシ交換やカバー工法を行うのであれば、オプションで網戸をつけるかどうかを決めておきましょう。

インナーサッシの場合でも外側のサッシは既存のままですが、網戸を後付けすることも可能です。また、既存の網戸であっても劣化している場合があるので確認しておきましょう。

この際の注意点として、網戸の立て付けが悪い場合、網戸本体の歪みや戸車の劣化の他、サッシが建物の重さで歪んでしまっている場合があります。

木造はもちろん、RCのマンションであっても、築年数と共にサッシの上側が下がってきてしまい、うまく閉まらないということはよくあります。

木造でも鉄筋コンクリートであっても、重力によって多少垂れてくるのは自然なことですし、だからといって欠陥住宅だ!という訳でもないので安心してください。

シャッターについても色々あるのですが、

まず、新しいサッシに交換する場合は、つけるのであればサッシと一体型がスッキリしていて金額的にも変わらないので、一体型がおすすめです。電動でも手動でも選べます。

次に、サッシの交換はしないでシャッターを取り付ける場合ですが、これも電動でも手動でも可能です。

最後に、既存で手動のシャッターが付いていて、それを電動化することも可能です。

シャッターを交換すると、シャッターボックスの形状があわずに、外壁工事と絡んでしまうことがありますが、シャッターボックス内部のバネを電動化することで、外壁補修なく電動シャッターに交換することも可能です。

ただし、内部構造によってはできないので、専門業者の現地調査が必要になります。

また、シャッターを取り付ける場合ですが、やるのであれば電動がおすすめです。

確かに、金額は高くなってしまいますが、手動ですといちいち窓を開けて冷気や熱気が入ってきてしまい、大変面倒な作業ですので、皆さん台風や強風のときぐらいしか使わなくなってしまいます。

初期費用は安いですが、最初はいいなと思って付けたのに、結局面倒で使わなくなってしまったということになりかねませんので、せっかく付けるのであれば電動にしてしまったほうが良いと思います。

④住宅設備の打ち合わせ

住宅設備の位置を検討しましょう。

部屋割り次第な部分もありますが、それぞれのアドバイスを解説させていただきます。

浴室

部屋割りの際に決まってくると思いますが、給湯器の位置は気を付けておきましょう。

給湯器の位置が遠くになるということは、配管の距離も伸びるということです。

するとどうなるか?

お湯が出てくるまでに時間がかかります。

冬場は結構なストレスになります。

まあ、私の自宅の話なのですが。

キッチン

こちらもリビングのプラン次第というところかと思いますが、その際に収納をどうするかをしっかり検討しておきましょう。

近くにパントリーなどを作り、常備しておくものを入れておくなどすると大変便利です。

トイレ

トイレは音に注意しましょう。

夜中に少しでも音がすれば起きてしまうという方もいれば、全然気にしないという方もいらっしゃいます。

音がどれくらい気になるかを考慮して、リビングや寝室との距離も考えておきましょう。

洗面台の位置

浴室の前室に設けることが多い洗面台ですが、

・誰かがお風呂を使用しているときに気を使う

・来客に使ってもらうときに少し抵抗がある

といったこともあります。

玄関や廊下に設けるというのも便利ですし、メインの洗面台と、サブの小さな洗面台を用意するという選択肢もあります。

洗濯機置場の位置

洗濯機置場は、こちらも浴室の前室が定番ですが、家事のことを考えると、濡れて重たい洗濯物を運ぶ距離は短いほうがいいですよね。

テラス囲いの取り付け工事の事例ですが、サニタリーからテラスへ直通でき、テラス内に洗濯機置場を設けたプランもあります。

日々の洗濯物が一気に楽になりますので、宜しければ参考にしてください。

大田原市下石上 テラス囲い(YKK AP ソラリア)

⑤収納等の打ち合わせ

しっかりプランしたつもりでも、「これをしまう場所決めてなかった!」ということはよくあります。

定番のものから忘れがちなものまで、リストアップさせて頂きましたので、チェックリストとしてご活用ください。

・衣類(使用頻度の高いもの、季節モノ、コートなどの長いもの、靴)

・布団類のしまう場所(掛け布団・毛布・敷布団・座布団・ホットカーペット)

・着替えやタオル

・化粧品、歯ブラシ、ひげ剃り

・貴重品(現金、鍵、通帳)

・書類、本、教科書

・食料品(常温保存のもの、保存食や買い置き、飲料など)

・日用品(ティッシュやトイレットペーパーなど)

・食器

・アウトドア用品

・趣味のもの

・子供用品

・ベビーカー

・扇風機、ヒーター

・リモコンなどの小物

・ゴミ箱、ゴミの保管場所

などなど、上記以外にも色々あると思いますので、改めて今の持ち物と、将来必要になってくるものを想像してみましょう。

収納等の打ち合わせ 棚の位置

上記の収納に関することですが、ちょっと小物を置きたい場所にニッチを作ったり、収納するものが決まっているのであれば、作り付けの収納を用意するという方法もあります。

ものが溢れて床に置かれはじめると、その上の空間まで犠牲になってしまいます。

収納等の打ち合わせ 点検口の位置

将来的なトラブルに備えて、点検口は用意しておきましょう。

決して見栄えの良いものではありませんので、

頻繁に踏まず、見えにくい箇所に配置すると良いでしょう。

床下点検口が活躍するのは、水回りトラブルの場合が多いので、水回りにアクセスしやすいところだとベストです。

天井点検口については、収納の中などで良いと思います。

⑥電気関係の位置決め

ここまでで間取りはほぼ固まってきていることとと思います。

実際の生活を想像しながら、電気関係の位置を決めていきましょう。

スイッチ

スイッチの位置は、生活の動線を意識して決めていきましょう。

また、照明は人感センサーにしてしまい、スイッチ無しにしてしまうという選択肢もあります。

コンセント

最近は充電して使用するものも多いですので、コンセントの位置はしっかり検討しましょう。

ただし、あまり多すぎてしまってもコンセントだらけの部屋になってしまいますので、注意が必要です。

テーブルやカウンター、ベッドの付近など、高めの位置に取り付けたいものが無いかも検討しておきましょう。

その他、寝室やリビングにアクセントクロスを貼りたい方は、色にも注意しましょう。
濃い色の壁にスイッチやコンセントがあると目立ってしまいます。

若干高いですが、黒やシルバーのスイッチコンセントもありますので、白だと気になるという方は、相談してみても良いかもしれません。

テレビの位置

テレビ線の位置も検討しておきましょう。

どの辺りに置こうか?というのは、皆さん検討されることと思います。

ですが、「テレビは壁掛けにしたい!」という場合はいかがでしょう?

テレビを設置するということは、周辺機器(レコーダーやオーディオ、ゲーム機)などを接続されることも多いかと思います。

その場合、テレビを壁掛けにしても、そこから沢山のコード類が出ているとなんだか格好悪いですよね。

そのような場合は、壁内で隠蔽配管しておきましょう。

そうすることで、テレビ台と壁掛けテレビの間にコードがぶら下がったりませんので、配線のない美しいテレビコーナーが出来上がります。

最近はHDMI端子が主流ですので、コネクター部分のサイズが大きいので、大きめの空配管を通しておきましょう。

モデムの位置

モデムやWiFiルーターの位置は、より効率よく電波を飛ばせる位置を検討しましょう。

最近はWiFiルーターを枯れることが主流かと思いますが、WiFiの電波は何もなければ100m程度は飛ばすことができますが、遮蔽物の影響を受けやすい電波です。

できれば家中に電波が届くようにしたいところですが、なかなかそうは行かないことも多いですよね。

その際は、中継機の設置や、メッシュWiFi等で解決することができます。

また、Bluetooth機器や電子レンジ、IHクッキングヒーターなどは、WiFiの電波と同じ周波数の2.4GHzを使用しておりますので、鑑賞して速度低下することがあります。

モニターホンの位置

リビングはもちろん、2Fにも必要かどうかも検討しておきましょう

給湯器リモコン

給湯器リモコンの位置も検討しておきましょう。

モニターホンも同様ですが、キッチンの近くにあると、家事動線として便利ですが、スイッチ類もありますので、できるだけすっきりとまとめたいですね。

エアコンの位置

昔のエアコンは共用のコンセントから取っていることもありましたが、使用容量が大きいので、最近の住宅では分電盤からエアコン専用の回路を引いてくるのが当たり前になっています。

電源の位置によってエアコンの位置もおおよそ決まってしまいますので、忘れずに打ち合わせておきましょう。

風が効率よく部屋中に届く配置だと良いですが、最近は機種によっては、エアコンが部屋のどの辺りに置かれているから設定することで、効率よく左右にスイングしてくれる機種なども出てきていますので、設置位置の制約がある場合には、そのようなエアコンを購入するというのもありですね。

ここまで打ち合わせが進むと、リフォームプランの「形」は決まっている頃でしょう。

ここからは、使用する製品や材料によって金額が分かれるものを選んでいく、「仕様決め」という段階に入っていきます。

⑦仕様決め 水まわり設備

仕様決めの段階になったら、まずは住宅設備、いわゆるユニットバスやキッチンなどの水回り製品の仕様を決めて行きます。

以下に個別で解説させて頂きますが、基本的にはメーカーのショールームに行って一気に決めてしまいましょう。

というのも、キッチンやユニットバスなどは、オプションがありすぎてカタログを眺めていてもなかなかイメージができません。

それが複数を一度にとなれば尚更です。

それに関してはメーカーさんも分かっているので、各地域に実物を展示しているショールームを用意して下さっています。

ショールームでは、実物展示はもちろんのこと、オプション製品を組み合わせたり見比べながら選んでいくことができます。

ショールームの手配は全て業者さんが行ってくれるはずです。

パーソナルホームズでは同席させて頂いております。

実際に検討しているランク帯の製品を見せてもらいながら、形や色柄やオプションをプランしていきましよう。

また、このショールームで仕様決めを行う際に注意していただきたいことがあります。

それは、どうしてもランクの高い製品に目移りしてしまいがちということです。

理由は2つあります。

1つ目は、メーカーさんも商売なので、高価格帯の製品が売れやすいようにショールームを設計されているということ。

2つ目が、感応度逓減性(かんのうどていげんせい)による金銭感覚の麻痺です。

感応度逓減性というのは、例えば月々5,000円だったお小遣いが3,000円に減らされてしまうのと、300,000円の月給の内、増税によって今までより手取り額が2,000円減ってしまうのとでは、前者のほうがより苦痛を感じるということです。

ときには数千万にも及ぶ買い物ですので、ついつい20万円ぐらいならいいかな?となってしまうときがあるかもしれません。

ローンでの返済となれば尚更です。

例としての20万円が悪いという話ではありませんが、人間にはそう考えてしまう癖があるということを認識したうえで、そこに20万円分の価値があるのかどうかを落ち着いて考えてみましょう。

少し話が脱線しましたが、住宅設備機器の仕様が選び終わったら、プランシートといって、CGの完成予想図と、詳細見積もりが出来上がります。

この時点ではまだ定価ですので、業者さんから再度見積もりが出てくることでしょう。

ちなみに、プランシートは複数作ることができますので、迷ってしまう場合は複数のプラン作成をお願いしておきましょう。

下記のものがショールームで選んでいたく製品です。

キッチン

キッチンの形状自体は、間取りプランによって決まっていますので、選んでいく項目としては、

加熱機器:IHかガスなのか 加熱機器の幅
シンク:サイズ、材質、収納、水栓位置、排水口の機能性
水栓:浄水器 タッチ式 引き出し式
天板:材質 耐擦り傷性能 清掃性
扉:色柄 取手
キッチンパネル:色柄
食洗機:サイズ 性能
レンジフード:形状 清掃性 色
フロアユニット:開き戸か引き出しか 内ポケット レールの性能
吊戸棚:形状 操作方法 色柄 照明
背面収納:形状 機能 色柄

などです。

ユニットバス

扉や浴槽の位置は間取りによって決まりますので、選んでいく項目としては、

ドア:引き戸 開き戸 折れ戸 色柄 タオル掛け
床材:排水性 クッション性
排水口:清掃性
壁パネル:色柄
浴槽:形状 材質 色柄
手すり:浴槽内 浴室内
風呂フタ:断熱性 清掃性 形状 風呂フタフック
照明:光の色 照明器具の形状
換気設備:換気扇 浴室乾燥(ガス式・電気式) 浴室暖房 
カウンター:形状 清掃性
水栓:カラン シャワー 止水スイッチ 節水性
シャワーフック:フック式かスライド式か 手すり機能をもたせるか
エプロン:取り外しの操作性
鏡:サイズ
収納:収納量 数量 清掃性
タオル掛:形状


高ランクのシリーズになってくると、肩湯や打たせ湯、ジェットバスなどもあります。

洗面台

洗面台は、オプションはそれほど多くなく、シリーズ=ランクによって機能が変わってきます。
デザイン面では、ショールームで気に入ったものを選んでいただければ大丈夫かと思いますが、機能的な面はよく検討しておきましょう。

ミラーキャビネット
ミラーキャビネット内の収納量をどうするか検討しておきましょう。

収納キャビネット
こちらは、引き出し式か開き扉かを注意しましょう。
引き出し式の方が金額が高い傾向にありますが、引き出し式であれば、奥の方にしまったものでも、スムーズに出し入れする事ができます。
また、洗面台に関しては、造作で一から作ってしまうという方法もあります。

トイレ

最近では皆さんほとんどウォシュレット(シャワートイレ)付きですが、その中でも一体型のものが人気になっております。

タンクレストイレなどは、見た目もスッキリしていてデザインが良いですが、高額になってきます。

最近のトイレは、ほぼ電子機器のようなものなので、故障することがあります。

購入したモデルが販売終了になってから、10年もすると部品供給もなくなってしまい、本体ごと交換しなければならないというケースもよくあります。

ちなみに我が家は1Fと2Fにトイレが設置してありますが、新築から15年程で両方一気に壊れました。
なかなか痛い出費でした。

それでも入れ替えるときは、ウォシュレット一体型のものを入れましたが、今のトイレはいずれ壊れる消耗品だと思って頂いたほうが良いかもしれません。

⑧仕様決め 建材類

住設機器の他に、建材類も決めていきましょう。

建具やフローリングなど室内空間を占める面積が大きい部分ですので、家のデザインが変わってきます。

ショールームで見ることもできますが、毎度毎度ショールームというのも大変なので、サンプルを取り寄せて決める場合も多いです。

フローリング

室内のデザインを大きく左右する部分です。
肌触りによって与える印象もことなりますので、質感も気になるポイントでしょう。

同じグレードのフローリングであれば、色によって金額に大きな違いが出ることは無いですが、フローリングの構造によっては倍以上違うものもありますので注意しましょう。

無垢フローリング

無垢材とは、原木から切り出して、自然なままの状態で利用する木材のことです。

メリット:質感や肌触りがよく、調湿作用もある。傷ができてもどこまでも同じ木なので経年しても味わい深いものになる。

デメリット:高額である。調湿作用がある=木が膨張したり伸縮したりするので、床鳴り等の問題が出やすい

デメリットの床鳴りの点が皆さん気になるところかと思いますが、湿度や温度によって木の状態が変わりますので、時間が経つとそのうちならなくなることもあります。また、補修で簡単に治ってしまうこともあります。

無垢材は本当に生き物のようですので、そういう味わいだと思って頂いた方が良いかもしれません。
もちろん施工店としては、発生しないよう、発生しても補修で治まるように最善を尽くします。

挽板フローリング

木を繊維方向に沿って切ることを、「木を挽く」といいますが、無垢材と違って、2mm程度の厚さに引いてから、合板に貼り付けたものを挽板(ひきいた)フローリングといいます。

メリット:見た目や質感は無垢フローリングそのもの、下地が合板なので形状が安定している

デメリット:調湿機能はあまりない、無垢よりは安いがフローリングの中ではまだ高額な部類

突板フローリング

挽板よりも更に薄い、0.3mm程度にスライスしたものを合板に貼り付けたものです。

私も見たことはありませんが、薄すぎて裏が透けて見えるぐらいの厚みだそうです。

それでも木材から制作してますので自然な木目で、同じ柄は2つとありません。

貼り付けたままでは耐久性がないので、上から何らかの塗装やコーティングを行っています。

メリット:挽板よりも安い、本物の木目である
デメリット:薄いので傷つくとすぐに裏地が見えてしまう

やはり傷がつくと目立ってしまいます。
できるだけ明るい色の方が、傷に関しては目立ちにくいかもしれません。

シートフローリング

合板の上に木目を印刷したシートを貼り付けたものです。

並べて見比べるとシートっぽい感じもしますが、現在の印刷技術は素晴らしくかなり精度良く木目が再現されています。

※もちろん極限まで安い製品ですとあからさまにシートなものもありますが。

メリット:最も安い
デメリット:傷つくとすぐに裏地が見えてしまう。

お気づきかもしれませんが、突板とシートですと特性はよく似ています。
ここはデザインと価格差で検討しましょう。

また、このシートの印刷技術の進歩は凄まじく、色々なところに貼ることもできます。

以前、劣化してしまった窓枠をシート補修させて頂いた事例がありますので、ぜひ御覧ください。

栃木市岩舟町 窓枠補修(リアテックシート貼り)

巾木

フローリングと壁との取り合い部分に廻す化粧材を巾木(はばき)と言います。

フローリングか建具に同系統の色か、あるいは白の巾木が良いでしょう。

クロスは白系統のものが多いと思いますが、濃いめの色でアクセントクロスを使う場合、例えばブルー系だとしたら、クロス:ブルー 巾木:ホワイト フローリング:ブラウンと、間に入る巾木のホワイトが悪目立ちしてしまいますので、フローリングか建具に近いものを使用すると良いでしょう。

同じ様に天井と壁との取り合い部分に廻す化粧材を廻り縁(まわりぶち)と言いますが、もともと廻り縁は和室の名残なので、最近はあまり使われなくなってきています。

建具

建具を選んでいきましょう。

建具を選ぶ際は、色はもちろんのこと、取手や丁番などの金物も確認しておきましょう。

また、引き戸にする場合は、ソフトクローズが付いているか(開ける方と閉める方両方ついているか)についても確認しておきましょう。

開き戸の場合でも、ドアストッパーを用意するかどうかも確認しておきましょう。後付タイプのものもありますので、将来的にやっぱり欲しいとなってからでも取り付け可能です。

窓枠

サッシの周り等に廻す枠を選んでいきましょう。

こちらは建具と同系統の色で良いと思います。

笠木

腰高ぐらいの壁など、天井まで繋がってない壁の場合に、笠木(かさぎ)という化粧の木材を被せます。

階段部分やキッチンの腰壁などに使うことが多いです。そのままクロス仕上げにしてしまうと、擦れてすぐ傷んでしまうので、笠木を回していきます。

これも枠と同色か、キッチンカウンター等を集成材で作る場合には、集成材を割いて廻しても良いでしょう。※材料代と大工の加工手間が少しかかりますが。

カウンター材

対面キッチンにする場合など、カウンターを作ることが多いです。

その時に使用する材料を何にするかを決めましょう。

材料としてはパイン集成材を使用することが多いです。シート巻きの材料ではないので、傷が付いてしまっても少し凹んだりするだけで、合板部分が出てきてしまうこともありません。

カウンター類は日常使いするものですので、傷は必ずつく部分ですので、傷が付いても大丈夫な材質のものが良いでしょう。

カウンター造作は、キッチンカウンターや洗面カウンターなどの水回りが多いですが、ウレタン塗装をかければ耐水性もあるので大丈夫です。

枕棚 ハンガーパイプ 中段

収納内の枕棚とハンガーパイプを確認しておきましょう。

押入れサイズで作る場合は、中段を入れる場合もありますが、この辺はお好みです。

棚板

可動棚に使用する棚板等の材料を決めておきましょう。

パイン集成材も味があっていいですが、思いです。

コストや重量の面でも、見えない部分は白ポリで良いかもしれません。

⑨塗装の打ち合わせ

未塗装部分の塗装を行いますので、色を決めておきましょう。

塗装の種類というのは色々な種類があるのでここでは省略させていただきますが、室内ですと、主にカウンターや棚板等の集成材を塗装していきます。

クリアのみ掛けることもありますが、最初は黄色っぽいですが、ゆっくりと日焼けして飴色になってきます。

外部等でついでに塗って欲しいところがあれば、せっかくなので相談してみましょう。

⑩タイルの打ち合わせ

玄関や洗面台、カウンターにタイルを使用する際には使用するタイルを決めていきましょう。

デザインはお好みですが、目地の色によってもイメージがガラッと変わりますので、確認しておきましょう。

また、輸入タイルなどもおしゃれな物が多いですが、国内とサイズの規格が微妙に異なったり、入手するのに時間がかかったりというデメリットもあります。

あくまでお好みですが、デザイン的にそれほど変わらないようでしたら、日本製のタイルの方が後々便利かもしれません。1枚だけ割れてしまったが、すぐに手に入らなかったり、廃盤になっていると輸入タイルだと苦労します。

⑪その他設備

その他に使うこともある設備たちです。
・室内物干し
・ポスト
・表札
リフォームにおいてこれらも必要になる場合は確認しておきましょう。

⑫照明器具

照明器具を選んでおきましょう。

シーリング、ダウンライト、ブラケット型など色々あります。

カタログも4cmぐらいの分厚い漬物石みたいなカタログが有名所だけでも5社ぐらいから出ています。

片っ端から見ていてはキリがありませんね。

ただ、各社大体似たような製品は出揃っていますので、業者が安く仕入れられるメーカーの中から選べば十分だと思います。

⑬クロス・カーテンの打ち合わせ

いよいよ選んでいくものもこれで最後になります。

最後に、クロスやカーテン類を選んでいきましょう。

クロス

ベースに使うクロスとアクセントに使うクロスを選んでいきましょう。

また、立体的に考えないといけない部分ですので、しっかりと想像する必要があります。

とはいえ、それもなかなか難しいので、パーソナルホームズでは大工工事がある程度進み、壁が出来上がったあたりで、現場でお打合せして決めています。

各種カタログの中でも最大の分厚さを誇る強敵ですので、可能であれば工事中での決定でも問題ないか業者さんに聞いてみましょう。

ただ、ある程度イメージをしておいた方が良いと思いますので、カタログに施工イメージが載っていますので、目星ぐらいは付けておいたほうが良いかもしれませんね。

A4サイズのカットサンプルも取り寄せできますので、気になるものは業者に頼んでおきましょう。

クッションフロア

トイレやサニタリーの床をクッションフロアにする場合はこちらも選んでいきましょう。

水回りに用いることが多いですが、フローリングと比較した際のメリットとしては
・金額が安い
・水に強い
・将来的に貼替える場合も簡単
ということ点が強みです。

ただ、明るい色の場合、特に脱衣場などは素足で歩くので、皮脂などで黒ずみができてしまいやすいというデメリットもあります。

フロアタイル

クッションフロアと比較されることが多いのがフロアタイルです。

硬質の塩ビ材で、タイル調のものや石目、木目まで色んな柄があります。

クッションフロアですとどうしてもフニャフニャとしたシート感が出てしまうのですが、硬質なのでしっかりとしていて、凹凸なども作り込まれているので、使い方によってはおしゃれに仕上がります。

将来的な貼り直しも簡単です。

金額的には、フローリング>フロアタイル>クッションフロア という感じです。

意外と存在を知らない方も多いので、よければ一度フロアタイルで検索してみて下さい。

ダイノックシート リアテックシート

建材の部分で窓枠を紹介させて頂きましたが、サッシと枠を再利用する場合などは、シートを撒くことでリニューアルすることも可能です。

以前、窓枠をシートで巻いた事例がありますので、是非御覧ください。

栃木市岩舟町 窓枠補修(リアテックシート貼り)

カーテン・ブラインド

カーテンやブラインド等も選んでおきましょう。

カーテン

色柄はお好みですが、合わせてカーテンレールやタッセル、房掛けも選んでおきましょう。

カーテンレールは最近はホワイトが主流ですが、木のカーテンレールやブラックのものもあります。デザインに応じて選んでいきましょう。

ブラインド

場所によってブラインドにしたい部分がある場合は、ブラインドも選んおきましょう。

採光量が調節できたり、ウッドブラインドなどはデザイン性も高いですが、掃除が大変などのデメリットもあります。

場所に応じて使い分けていきましょう。

また、ブラインドの場合は、操作方法を選んでおくのと、操作位置(窓から向かって右なのか左なのか)特に決まりはありませんので、使いやすそうな方を選びましょう。

打ち合わせ終了

大変長文になってしまいましたが、ご覧頂きありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

「こんなに選ぶものがあるなんて、私には無理かも。」と思われたでしょうか。

この様な打ち合わせは、基本的には業者がリードしてくれるはずですので、実際は任せておけば大丈夫です。

ただ、打ち合わせの最中に急に聞かれて、「すぐには考えがまとまらない」ということもあるので、

「そういえばこれも決めるんだったな」程度に頭の片隅にでも入れておいて頂ければ幸いです。

また、これだけ決めることがありますので、業者側から全てを確認してくれるとも限らないので、本記事を参考に打ち合わせの際に気になることがあればどんどん聞いていきましょう。

まとめ

今回解説させて頂いた内容は以下の通りです。

①構造部分等について
②間取りの打ち合わせ
③サッシの改修について
④住宅設備の位置を決める
⑤収納等の打ち合わせ
⑥電気設備の打ち合わせ
⑦仕様決め 水まわり設備
⑧仕様決め 建材類
⑨塗装の打ち合わせ
⑩タイルの打ち合わせ
⑪その他設備
⑫照明器具
⑬クロス・カーテンの打ち合わせ

いかがでしたでしょうか。

基本的には業者さんから確認してくれるかと思いますが、これだけ沢山決めることがありますので、抜け漏れや、お互いにこうだろうと思いこんでしまうところが無くなるよう、今一度お打ち合わせの際はチェックして見ましょう。

皆様のリフォームが良いものになるよう、少しでも力になれれば幸いです。

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